東京湾の青潮対策のアイデア

 最近の東京湾は、ほぼ毎年、青潮(低酸素塊)が発生していています。
 青潮は、水底部の貧酸素な海水が表面に表層に上がってくる現象で、一見、青くてきれいな感じだが、硫化水素を含んだ酸素ゼロの水塊であり、生物を死滅させ死骸が大量に浮き、その悪臭がひどいことになります。

 発生のメカニズムは、東京湾海底に汚濁物質が堆積しており富栄養化しているが、植物プランクトンが大量発生すると、透明度の低く水深がある部分は日光が届かず光合成ができないため、呼吸により酸素が消費され、低酸素かつ無気呼吸により硫化水素を含んだ水塊ができます。

 さらに、埋め立てにより干潟が減少し、潮の移動が減少し、低酸素の水塊が底部に停滞し続けています。

 そこに、強風(北風)により表面水が湾外に流出し、底部の低酸素塊が表層に押し上げらると、青潮が発生するメカニズムとなっています。

 最近は、東京湾では、夏前から毎年のように起こっています。

 東京湾で青潮が起こりやすい理由として、湾内に巨大な土砂採取穴があって、そこに低酸素塊が停滞してしまうためらしいです。
 確かに、東京湾の海底地形図を見ると、千葉沖等に、直径数百メートル四方から数キロ四方くらいの大穴がいくつか存在しているのが分かります。
 ※水深5m~10mの海に、水深20mくらいの巨大な穴があるイメージ

 現在、検討されている対策としては、「大穴を埋設する」手法のようです。

 理論的には、大穴に低酸素塊が蓄積しないようにすれば、青潮軽減には効果があるはずです。

 より安価で即効性のある方法として、ダムなどでは、既に行われている曝気(エアレーション)も効果があると思います。
 効果としては、気泡の浮上に引き上げられて、底から水面への上昇流ができることにより、底部の水を循環させるとともに、曝気により水中の酸素含有量を増加させる効果が期待できます。
 
 課題として、「数キロ沖合のため曝気ポンプの電源確保が難しい点」、解決方法として、「浮体式のソーラーパネルを設置する方法」が考えられます。
あるいは、「穴の周囲の水深は浅い(水深5m~10m)ため桟台を作ってその上にソーラーパネルを設置する方法」もあります。

 こうした簡易で安価な方式でも、多数並べれば、それなりに効果があると思います。

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