現在の義務教育制度は、時代と合っていないと思う

現在の教育制度は、以下のようになっている。
 ・~6歳までは、幼稚園か保育園
 ・義務教育:小中学校9年間(6歳~15歳)
 ・高校3年間(18歳卒業)
 ・大学4年間 +大学院~

 現制度が始まった戦後当時と現在では、社会情勢が大きく異なり、時代に合っていないと思います。

 そこで、現在の社会情勢にあった義務教育制度についてアイデアを書いてみる。

①3歳(幼稚園・保育園)からの義務教育化

 現在は、生活様式の多様化、貧富の差の拡大、世帯人数の減少、外国人世帯の増加などによる、育児放棄や無園児等の問題もある。
 結果、小学校入学時点において、知識や思考力、協調性等に大きな個人差が生じ、この時点から教育離脱する要因が形成されている。

 フランスでは同様の問題に対応するため、3歳からの保育園を義務化している。

 日本でも、同様の政策として3歳(幼稚・保育園)から義務教育化すると良いと思う。具体的には
・保育園(厚労省)と幼稚園(文科省)行政を統合一元化
・ゼロ歳から無審査受け入れ、3歳から義務化、早朝~夜間までの受け入れ体制を構築
・4,5歳からのプレ小学校としての幼児教育(文字や計算、外国語など)
・施設不足時は、既存ストックを改良整備(廃校となった小学校校舎など)
 ※小児人口は、ピーク時の40%に減少し、施設に空きがあるはず。

 上記政策により税負担は増大するが、最も費用対効果が高いといわれる幼児教育の底上げが出来れば、教育投資による将来の社会利益増大や、女性の社会進出による労働人口増大により国民所得が増大し、税負担以上の税収増が見込めると思う。

②高校まで義務教育化 中高一貫5年制(17歳卒業)とする

 現制度ができた当時(昭和20年代)の高校進学率は40%台と高校進学者は少数派だったが、現代は95%以上と、ほぼ全員が進学する。
 また、全体の僅か5%の高卒未満者(中卒および高校中退等)が、受刑者(30代)では6割以上を占め、高校教育からの離脱は、その後の社会生活に深刻な影響を与えている可能性がある。

 もう一つの流れが、「学習塾、学費コストの増大」と「中高一貫校の人気と急増」である。
 有名中高一貫進学校を目指す流れが増大し、小学生の受験戦争が激化している。
 中高一貫校では、高校受験に浪費せず、高校課程を先取り学習し、高校2年時に全課程を終了し、高2年後半~高校3年時の1年半を大学受験勉強に専従できるので、大学受験時点で、難関大学入試には大変有利となる。(+5,000時間の受験勉強が可)
 従来型の公立中学、高校出身者は、明らかに受験にハンデがあり、社会の不公平感が高まると思う。

 現在、中高一貫進学校は、全体に占める比率が急増していると思う。
 また、幼少時から受験を競技化して生徒間の点数競争を煽る風潮や、偏差値至上主義的な偏見がネット上にあふれる中で、偏った人間が育ちやすい環境になっている。

 対応策としては、英国と同様に、中高一貫5年間(卒業17歳)まで義務教育にする方が、実情に合っていると思う。
 中高一貫を義務教育として高校受験に浪費しない分、現状中高6年の課程を1年短縮し、5年間(17歳)で卒業とすることは、現状の中高一貫校は、既に高2で全課程を終わらせていることから可能である。

 その後、大学入学の18歳までの1年間(現在の高校三年時)は、大学進学希望者は、受験勉強に没頭する。
 大学受験希望者全員に、1年間、3千時間を大学受験勉強に没頭できる機会が与えられれば、出身高校による受験生のハンデは減少し、公平感が増すはずである。

 また、就職希望者は、17歳の高校卒業後、1年間の職業専門学校(無償化が望ましい)を選択できるようにする。

 以上のように、3歳~17歳までを義務教育として教育離脱者を減らし、さらに成人年齢18歳まで、1年の職業訓練機会を与えることで、社会生活が困難になり犯罪に走る若者を減少させることができると思う。

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