冬のダムに落ちた話

 飲んでいるとき幼馴染から聞いたのだが、その友人が過去一番焦ったのは、私が冬のダムに落ちた時だったと言っていた。
 運よく助かったのだが、その時の話を書いてみる。

 中学時代に、地元の山の中にある小さなダムでニジマスが釣れると聞いたので行ってみた。
 3月の信州の山の中なので、残雪もあり、気温も氷点下くらいで、完全に冬の寒さだった。
 
 ダムの周囲はほぼ急峻な崖で、コンクリート擁壁の上に乗って、釣りをしていたのが、根がかりしたルアーを外そうとしていたとき、後ろに下がっていて踏み外して2mくらい下の湖面に落水した。
 落ちている時は「ああ、やっちまったな」という感じで、スローモーションに感じた。
 
 自分の記憶では、落水地点の近くに、がけ崩れ跡があり、そこから這い上がることができた。
 水温は、恐らく数度しかないと思うが、寒さを全く感じなかった。
 ※後から寒くなってきたが

 友人曰く、落水してから、しばらく浮かんで来なかったので、本当に焦ったと言っていた。
 自分の中では、落水後に、水面にすぐに顔は出せたとおもっていたのだが。

 しかし、もし落水地点の近くに、がけ崩れ跡がなかったら、這い上がれなかっただろう。
 その場合、数十メートルは泳がないと上がる場所はなかったので、数度の水温の中を、着衣のまま、その距離を泳げたのか?自信はない。
 
 今思えば、よくそんな危ないことをしていたものだと思う。

 皆さん、釣りに行くときは、不自由でもフローティングジャケットはつけましょう。

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