震災時に、僻地集落などで住民の自主避難所としてビニールハウスに住む例は、日本国内で結構見られる。
また、韓国では、スラムにおいてビニールハウスに住む人々がいるようだ。
このように、ビニールハウスには、一応は住めるが、とても劣悪な環境であるというイメージがある。
しかし、世界的に見れば、遊牧民などで、ゲルやパオといったテント型の住居が利用されており、これらは、極寒から酷暑の気候に対応している。
※最近はグランピング等のテント宿泊施設も多い
恐らく、日本の気候なら、構造を工夫すれば、ビニールハウスも現代住宅と遜色ない快適性を確保できるのではないかと思う。
※豪雪地帯等の一部地域を除いて
また、平屋住宅の新形態として、超低コスト住宅の可能性もあると思う。
そこで、ビニールハウス型住宅のアイデアを考えてみた。
100%ビニールハウスに居住するのは、やはり、台風時の不安や、水回りの設置の問題を考えると、難しいと思う。
そこで15㎡程度のタイニーハウスに隣接して、ビニールハウスを建てる構造に現実味があると思います。
以下のイメージ。
①まず、1kアパート的な間取り(15㎡)のタイニーハウス、ユニットハウスを建てる。
ここに、玄関、水回り(キッチン・バス・トイレ)、寝室4畳半程度で、住居として必要なものすべてを入れる。
※300万程度を想定する。
②そこに隣接して、小型のビニールハウス(広さ54㎡(間口5.4m×長さ10m))を建てる。 ビニールハウスコストは、見積もりサイトを見ると、 間口5.4m、耐雪性25kg/㎡、耐風性47m/sのビニールハウスの坪単価24,200 というのがあるので、㎡で8千円位と想定する。
54㎡×8千円で43.2万円
断熱として、業務用のクッション材、アルミ断熱シートのロールなどで覆い、外面は、テント倉庫用のテント布で覆う。
床部は、「すのこ」の上に、ウレタンマットを敷き詰める
これで、大体、150万位でできると思う。
総コストとして、ユニットハウス(15㎡)が300万、ビニールハウスは150万として、合計450万円で、70㎡相当の居住スペースが、500万以下で確保できる。
ただ、ビニールハウスも農業用途外で、10㎡を超えるものは建築確認が必要となり、強度や消防的な安全性確保のため、行政の確認許可が必要になるようだ。
恐らく、テント倉庫用の基準(告示666,667)に準じた構造であれば、問題ないと思う。
※断熱材等は、難燃性ものが必要になると思う。
この構造であれば、基本の生活は、ユニットハウスで、ビニールハウス部分は、倉庫や、広めのラウンジ、屋根付きの庭(サンルーフ)として利用ができると思う。
家族で暮らすのは、難しそうですが、単身、または二人程度で、広々とした空間で暮らしたい人は、ありかもしれない。
なんにしても、行政の許認可申請のクリアやコストが最大の課題だと思う。